動物たちの病気 症例集診療内容の一部紹介

動物たちの病気 症例集

骨盤骨折

骨盤骨折は交通事故・落下などに起因する場合が多いです。

骨盤構造は仙椎、腸骨、坐骨、恥骨より構成されており、複数の骨が骨折していることもあります。

骨盤腔は消化器系、泌尿器系、生殖器系の臓器を収納しています。それらの軟部組織の損傷や神経の損傷も評価する必要があります。

 



<犬・猫の骨盤骨折の分類>

・仙腸関節分離及び脱臼

・腸骨翼及び腸骨体骨折

・寛骨臼骨折

・坐骨骨折

・骨盤床骨折

 

外科的治療(手術)の対象となるのは、以下のような場合です。

・骨盤腔の狭小を伴う

・寛骨臼骨折を伴う

・骨盤構造の複数個所の骨折により骨盤自体が不安定な状態にある

・骨盤骨折と同時に股関節脱臼または他の部位の骨折を伴っている

 

<手術の目的>

・解剖学的復帰

・排泄ルートの確保

・産道確保

・運動機能の復帰・改善




スクリュー、プレート、経腸骨ピン等を用いて整復手術を行います。



術後管理として、

・疼痛管理

・排泄管理

・リハビリテーション

なども大切です。

 

<リハビリテーション>

術後の経過に合わせて低出力レーザー療法、鍼治療、バランスディスク、バランスボール、トレッドミルなどのリハビリテーションも行います。


2016.12.25