動物たちの病気 症例集診療内容の一部紹介

動物たちの病気 症例集

SFTS 重症熱性血小板減少症候群


重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は新規ウイルスによる人獣共通感染症で、マダニを媒介して感染します。

2017年以降犬猫、人においてSFTS感染が多数報告されており、特に人と猫はSFTSに対する感受性が高く、感染すると重症化しやすいと言われています。

そして、発症動物から人への感染が疑われる事例もあるため注意が必要です。


【病態】

発熱、食欲不振、元気消失など一般的な体調不良が認められます。血液検査では炎症の数値の上昇、血小板の減少が特徴的です。

一部の症例では黄疸が認められます。


【診断】

確定診断は血液中のウイルス遺伝子の検出によって行われます。


【治療】

この病気は効果的な治療薬はなく、二次感染を予防する抗生剤や、輸液などの対症療法がメインになってきます。



近年、東海地方でも犬猫、人における感染例および死亡例が報告されています。

感染してからでは対処が非常に困難であるため、感染リスクを減らすために徹底したマダニ駆除剤の投与が必要です。

たとえ森などの自然が多いところに行かないとしても、住宅街にもマダニは潜んでいます。我が子とご家族自身を守るためにも、春から冬までフィラリア予防と同時にマダニ予防も強く推奨します。


2025.07.07