YouTubeでこんな動画が投稿されているのをご存知でしょうか?
その名も「ペットを売らないペットショップ」と言う動画です。
7月末頃に朝日放送テレビで放映された内容を動画として投稿されたこの動画は現時点で27万回再生されており、多くの人の関心を引いているようですね。
私もおすすめ欄に出てきたのをたまたま見た口ですので背景に詳しい訳では決してありませんが、今回のコラムではその動画内容について少しご紹介したいと思います。
兵庫県にあるそのペットショップでは2021年の7月頃にペットの販売を終了しています。
その背景にはショップオーナーの「販売は悪いことではないが、保護活動に関わる事がしたかった」と言う愛護精神からペットの生体販売を取り止めにしたそうです。
ではショップは閉店しているのかと言うとそういう訳ではなく、ケアやサービスに注力している様子が語られています。
動画では様々なサービス内容が紹介されていますが、ペット販売に使用していたスペースを使って、ペットと一緒に参加できるイベントを開催したり、ペット用のアクセサリーの手作り会を行ったりしているようです。
動物の保護団体と連携して、保護された犬と新しい子を迎え入れようとしている人との出会いの場として御縁探し会を提供している日もあるそうです。
他には18歳の柴犬をデイサービスのように半日預かり、スタッフの方が介護している場面が映しだされています。
飲食する事も介助が必要なほど老衰しており、そのお世話をする飼い主をケアする目的もあり、この柴犬を毎日閉店まで預かっているそうです。
スタッフさんが飼い主と動物のケアやサービスをよく考えてお仕事されている様子が12分弱の動画で紹介されており、感銘を受けました。
介護と言うと、私も仕事柄、動物の介護やそれに近い事を行う事が今までに多くあり、例え10kgに満たない犬の介護でも、とても体力を使う事を理解しています。
徘徊行動で頻繁に壁に頭をぶつけて傷を作る子、夜鳴きがひどく鎮静剤が必要な子、床ずれのケア、個々様々な問題を毎日お世話してあげる飼い主さんの心労は察するに余りあります。
私は直接見たことはありませんが「老犬ホーム」というサービスもある事を、ある飼い主さんから教えてもらった事があります。
少しずつ長くなっているペットの平均寿命の長さに伴ってデイサービスのお仕事はもはや人だけでなく、動物に対しての需要も高まっているのだなと実感しました。
ちなみに、上記の動画とは別件ですがフランスでは処分される動物の増加を背景に2024年からペットショップでの犬猫の販売を禁止する法律が2021年に可決されました。
犬猫の購入はブリーダー若しくは保護動物の引き取りと言う形になるそうです。
他にもイギリス、ドイツ、アメリカの一部地域でもペットショップでの生体販売を規制しており、悪質な繁殖ブリーダーや無責任な飼い主に厳しい目が向けられています。
こういった海外事情にも影響されて日本でも少しずつそういったペット状況の変化が起きてくるかもしれませんね、と個人的には思っています。
動画の内容に興味をもった方はぜひ検索してみて下さいね。
みどり動物病院 動物看護士 比古矢