今年は短期間で集中的に雨が降るようです。大雨による被害が少なければいいなと思います。
さて、2年前の冬にコラムでご紹介した「猫バンバン」について、梅雨の時期にもおすすめしたいので再び掲載しました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、「猫バンバン」とは、車のエンジンをかける前にボンネットをバンバン(ノックするようにやさしく)と叩いて、エンジンルームの中に入り込んでいる猫ちゃんに人間の存在を知らせて事故を防止することです。
エンジンルームに猫ちゃんがいることに気付かずエンジンをかけてしまうと、機器のベルトの回転部分に巻き込まれてしまうことがあります。
巻き込まれずに済んだとしても、エンジンで火傷をしたり、走行中の車から落下してしまうこともあります。
では、なぜ猫ちゃんはエンジンルームに入ってしまうのでしょうか。
お外にいる猫ちゃんが落ち着ける場所はどんな所だと思いますか?
猫ちゃんを飼ったことのある方は、お家の中で猫ちゃんが見当たらなくて探した時、箱の中やベッドの下や家具の隙間で寝ていたという経験があるのではないでしょうか。
そういった所は、暗くて狭くて風が遮れる場所です。
駐車中の車のエンジンルームの中は、まさにそのような場所ではないでしょうか。
雨風をしのげて暖かく、暗く狭く、警戒心の強い猫ちゃんにとっては安心できる場所ですよね。
なのでついつい入りたくなってしまうようです。
「冬に暖を求めてエンジンルームに入り込む」と聞いたことがある方は多いと思いますが、梅雨の時期の方が多いそうです。
寒くないこの梅雨の時期に多い理由は2つあります。
1つめは、もちろん「雨」です。
雨に濡れるのが好きな猫ちゃんは少ないと思います。雨宿りのために車を利用しているのでしょう。
2つ目は、「子猫」です。
春生まれの猫ちゃんって結構多いんです。その子たちが梅雨の時期に生後2ヶ月くらいになります。
生後2ヶ月頃というと、母猫から生きていくための術を教わり、 いろいろなことに興味深々で好奇心がとても旺盛です。 そう、子猫ちゃんが活発に動き回る時期なんです。
小さな子猫は、車の小さな隙間に入り込めます。エンジンルームだけでなく、タイヤと車体の間やマフラーにいる事もあります。
我が家にも子猫の頃にエンジンルームで事故にあった子がいます。前足の骨折と神経障害、頭蓋骨にヒビが入る重症でした。
いたましい事故を防ぐためにお願いします。
車の下や周りを見て、猫バンバンをして、猫の鳴き声や気配がしないか確認してからエンジンをかけてください。
冬や梅雨以外にも、できれば年中お願いします。
愛玩動物看護師 安部