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みどり動物病院 コラム

わんこと花火
8月も半ばに入り、いよいよ夏の暑さも佳境に入ってきました。

新型コロナウイルスの制限も緩和され、今年は各地でお祭りが再開され賑わいを取り戻しつつありますね。
花火大会も毎週のようにあちこちで開催されていて、愛犬と楽しみたいと思う方も多いかと思います。
ですが花火を怖がるわんちゃんが多いのも事実です。
花火大会に愛犬を連れて出掛けることにはリスクが伴うことや、注意点や対策をしっかり確認しておきまよう。

◎ケガや逃走◎
まず、大きな音や人混みに驚いて逃走する危険性があります。
『普段から大人しいから大丈夫』 『人が大好きで慣れているから大丈夫』
・・・こんな考え方は非常に危険です。
花火大会は日常とは異なります。
若いわんちゃんにとっては初めての人混みになるかもしれません。
花火自体も、犬にとっては突然空から割れるような大きな音が降り注いでくるものでしかなく、驚かないなんて無理な話です。
人は、花火がピカっと光って大きな音が鳴る物でありそれが安全だと分かっていますが、それをわんちゃんは理解していないので突然の大きな音や光にとても驚いてしまいます。
びっくりして抱っこから飛び降りた時に靱帯を損傷したり、骨折の可能性もあります。
飛び降りた時にリードが手から外れてしまったら一瞬で迷子になってしまいます。

実は先日、7月に開催された花火大会で走って逃げていくわんちゃんを目撃してしまいました。
その時は、飼主さんから少し離れた場所でしたが他の見物客に捕獲されすぐに飼主さんのもとに戻ることができて事なきを得ました。
しかしあのまま捕まえることができなかったら、暗闇の中、小さいわんちゃんを探し出すのはとても難しくなっていたと思いますし、花火会場の近くは大きな幹線道路が走っていることも多く交通事故の心配も出てきます。

◎過度なストレス◎
慣れない人混みや、環境に強いストレスがかかる恐れがあります。
わんちゃんが恐怖を感じている状態として、
 ・その場から逃げようとする、隠れる
 ・震える
 ・呼吸がいつもより速い、口を開けてハーハーと荒い呼吸をする
 ・うろうろと落ち着き鳴く動き回る
などの行動が見られることが知られています。
なかにはてんかん様の発作を起こしてしまったり、元々発作の既往歴のあるのわんちゃんだと群発発作や重積発作(発作が連続して起こり止まらなくなる状態)を引き起こし、命に関わる重篤な症状が起きてしまう可能性があります。

大切な家族だからこそ、愛犬も一緒に夏のイベントを楽しみたいと思う飼主さんは多くいらっしゃるかと思います。が、万が一のことを考え、愛犬はお留守番をさせる・ペットホテルに預けるなどの選択をすることも大切ですね。

ケガや事故なく、夏のイベントを楽しみましょう☺♪
2023.08.15
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